
いきたかったみせー!!
昭和4年創業、ミシュランでもすっかり常連入りされてる『夕凪橋 多古安(=たこあん)』さま。

地域が天満橋・谷四ではないだろう、てのはさておき二ツ星付きです。
食べログはTOP500入り、アワードも2017からブロンズ連続受賞されています。

ワクワク行きました。

大阪メトロ・朝潮橋駅から歩いて5分ほど。
趣のある日本家屋です。下町の一軒家をそのまま使ってそうな庶民的な佇まい。

ちなみに家族経営のお店で、今の料理長で3代目だそうです。
完全個室。著名人がお忍びで利用されることもしばしばとのこと。
純和風のお座敷、掘りごたつでくつろげます。

お料理は2万円のてっちりコース1本。
こちらをベースに、好みで単品を追加していくシステムです。

ふぐは、東シナ海産4キロ以上の天然ものにこだわって使われているそう。
時期的に白子が当たりということで、鍋用と刺身を追加しました(各2千円)。

この日いただいた 多古安のてっちりコースです。



ビール 大瓶 600円

意外に良心価格。
アサヒorキリンからチョイス可能です。

◇白子刺身

◇てっちり、鍋用白子

◇箸休め ←煮凝り

ひれ酒 1,500円 ←つぎ酒は600円

◇雑炊、香の物

◇冷し物

夕凪橋 多古安の感想をば。
お料理の感想をつらつらと。
てっぴは創業当時から受け継がれているという、多古安の名物料理。
てっぴってふぐ皮を湯引いたものと思ってたのですが、 多古安のてっぴは生のままポン酢に漬け込んだものでした。

イメージしてたゴムゴム食感ではなく、ぐにゅりとした歯ざわり。
口の中ではとろりとろけます。

てっさも独特。
自宅で不定期に通販する、超薄切り&花びら盛りのものとは異なりました。

~以下、ミシュランごっこ。内の関連口コミです~
2020年1月 山口ふぐ本舗きらくの「特典付!得々ふぐ鍋・刺身セット4-5人前/超冷」が我が家の定番な話
いつものてっさ2枚分はある厚切りを、枠以外は真っ白なお皿に乗せての提供。

多古安のてっさは、うっすらピンク色。天然ふぐであることと個体の大きさの表れだそうです。
質の良さを確認してもらうために、あえて白皿に乗せられているとのこと。
弾力の強いもちもち食感。
一般的なものより硬さのある肉質のふぐだそうで。
玄品ふぐなんかにあるでぶつ刺しにしちゃうと、硬すぎて噛めないくらいなんですって。

ふぐビギナーのワタクシですが、これだけ余韻のあるてっさって初めてかも。
女将によると、ふぐは大きくなるほどコクが増すのだそうです。
いつものてっさなら、5枚くらいがっとすくってがっと口に放り込んで、後に残るのは「今回のふぐは臭みがあったなあ」て感想くらいしか残らないのに。

「白子刺身」て…初めて食べました。

珍しいですよね?
珍しすぎて、いきなり出されたなら脳が白子って認識しなさそう。
大きな白子をぶつ切りで、ポン酢に浸しての提供。
てくらいの衝撃です。

見た目はとろとろなのに、ほんのり噛みごたえがあって。
とろりとぷるんの中間くらい、独特の食感。
いま天下統一を果たしたなら他の人間にこれを食べさせまい、と決め込んだくらいの逸品です。
世の中にこんな飛び道具が隠されていただなんて。
てっちりは、多古安における一番の見どころだろうなと。

具材は、ふぐの切り身、あら、丹波しめじ、春菊、豆腐、湯葉、追加した白子です。
それさっき出たてっさでない?な切り身をはじめとした贅沢素材ばかり。
女将がひとつひとつ丁寧に、絶妙な茹で加減で仕上げ、お皿に移してくれます。

このお鍋が、最初から最後まで楽しみ尽くさせてくれてまるでショーみたい。
まずお鍋が提供された時点で、ものすごいアク出てますやんて思ってたわけなのですけど。

これは出汁に白子を溶いて、入れたものだそうで。
このアク?をすくったものを、スープのように召し上がれ、と勧めてくださいます。

少量のポン酢で割っていただいたところ…

…まだ見ぬ飛び道具がここにも…!
出汁は昆布と鰹の一番出汁だそうです、ですがそれどころじゃない。
とんでもない味を脳に刻んでしまった。
以降、女将の軽妙なトークとともに殿気分の鍋時間が流れていくわけなのですが、さすが老舗。さすがコース2万の店の女将…といった会話力をお持ちでいらっしゃる。

昨今の社会情勢はもちろん、大阪の文化、食材の知識など多方面に熟知されていてどんな話も拾ってくださいます。
このもてなされる側ともてなす側との一体感。
料理だけじゃなく、接客だって唯一無二。

念のため補足しますが、今回は女将にお世話をして頂けたという非常にラッキーな日でして。
お部屋によってはほかのスタッフさんが担当されるので、ご了承ください。

ひれ酒も女将に仕上げていただける光栄な状況。
所作のひとつひとつに品があり、お美しいのは、さすがです。

きれいに下処理されたた天然ふぐのひれ酒。
完全に水分が無くなるまで陰干しして、じっくりと焼いて仕上げているそうです。

でかい。

この広い表面積から凝縮された旨味が出るの。
ものっすげーの、分かるでしょ?
てっちりの合間に、箸休めにどうぞと煮凝りも。
甘めの仕上げ。

ひれ酒と合わせると永遠に食べてたくなる旨さ。
2杯目は輪をかけてうまいですから、ひれ酒。

で、終盤に白子。

なんてことだ。

ワタシの目が青かったならオーマイガッって叫んだくらいの旨さです。
最後はお雑炊。

言葉にならんレベル。
たっぷりの白子がお出汁が滲み出ている、究極の雑炊。
もう飛び道具どころじゃなくなんとか遺産とかの域。←泥酔

最後はメロンとお茶で締め。

かなり熟成されたマスクメロンで、皮ギリギリまで食べれます。
このメロンも含め、ポン酢、お鍋に入れる具材のひとつひとつまで非常にこだわられているというお話もしていただきまして。
なんて完成度の高いコースを提供されるのでしょう、多古安さま。
ふぐ以外ではクエ、夏場には鱧もされていますが、食べたくてしょうがなくなります。

知っちゃいけなかった。
脳に刻んじゃいけない旨さ。
でもね。
本日のお支払てば、ひとりあたり3万円超え。
感銘を受けたお料理たちではあるものの、お財布事情を考慮すると、あきらめなしょうがないかなって思ってしまう庶民なワタクシでして。

ここでしか味わえない雰囲気、贅沢さを求めて世の大御所も来られるのでしょう。
少しでもそういう人間に近づけるよう、最高の思い出として胸にしまっておきます。
願わくば、また来たい。
「夕凪橋 多古安(たこあん) てっちりコース(大阪・朝潮橋)」
だっちん。総合評価:★4
↓採点内訳↓
点数は 1(悪)→5(良) にて。3が標準点になります。
○料理
■味:4 ■見た目:4 ■プラス@:5
○サービス
■出る速さ:4 ■接客:4 ■コストパフォーマンス:3
○雰囲気
■混雑具合:- ■席の過ごし易さ:4 ■内装:4
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